⬇️NotebookLMでここ1週間のデータをまとめて振り返る
「便利になったはずなのに、なぜか追い立てられるように忙しい」――。2026年、私たちが身を置く現在地は、技術の進歩がもたらす恩恵と、それが生み出す特有の焦燥感の狭間にあります。
私はライフスタイル・テック・エッセイストとして、日々デジタルとアナログの交差点で思考を巡らせていますが、2026年冬の記録を読み返すと、そこには単なる「効率化」を超えた、切実で知的な生存戦略が刻まれていました。災害級の大雪に見舞われた札幌での決断や、進化し続けるAIとの対峙。還暦を過ぎ、65歳という節目を目前にした一人の「デジタル・アーキビスト」が、自らの存在を「ひっかき傷(スクラッチノイズ)」として記録し続ける中で見出した、軽やかに生き抜くための5つのハックをお届けします。
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1. NotebookLMの「50個の壁」を突破する、情報の「無限ストレージ」化
現代の知の集積において、AIツール「NotebookLM」は比類なきパートナーです。しかし、無料版には「ソースは50個まで」という物理的な制約が立ちはだかります。日々の日記を一つずつ取り込めば、わずか50日で思考のアーカイブは飽和してしまう。
ここで求められるのは、ツールの仕様に従うのではなく、システムを構築する視点です。私は「Googleフォーム → スプレッドシート → NotebookLM」というバイパスを構築しました。
具体的には、音声入力した日記をGoogleフォームから投稿し、その回答が蓄積される「1枚のスプレッドシート」のURLをNotebookLMに同期させるのです。これにより、NotebookLM側では「1つのソース」という認識のまま、中身のスプレッドシートが更新されるたびにデータが無限に増強されていきます。このフォームの構成自体も、Geminiに語りかけ、GAS(Google Apps Script)を生成させることで、AIネイティブなワークフローとして完成させました。
「間にGoogleフォームをかますことによって、NotebookLMの使用範囲・用途が無限に広がるような、そんな興奮を覚えている。」
これは単なる節約術ではありません。自らの「生きた証」を、AIがいつでも参照可能な資産へと変換し、キュレーションし続けるための、アーキビストとしての知恵なのです。
2. 0.7畳の契約に奪われる「日曜日の午後」――デジタルの皮肉
テクノロジーは時に、効率の名の下に私たちの時間を奪う「罠」へと変貌します。先日、息子が北の大地で利用する「0.7畳」のトランクルームを契約しに行った際のことです。わずか1畳にも満たない、物理的には極めて小さな空間を借りるだけの手続きに、実に1時間半もの時間を費やすことになりました。
目の前に担当者がいながら、あらゆるプロセスはスマホベース。ログイン、ID確認、二段階認証、パスワードの再設定……。直感的とは言い難いUI/UXの迷宮を彷徨い、小さな画面と格闘し続けるストレス。シンギュラリティ(技術的特異点)が囁かれるほどのAIの進化とは裏腹に、私たちの生活の末端にある「デジタルの手続き」は、アナログ時代よりも複雑で不親切なものに退化しているようにさえ感じます。
このギャップを認識し、デジタルがもたらす不条理に自分のリズムを乱されないよう、「あらかじめ時間に余裕を持つ」という、アナログな自衛策が必要なのです。
3. 災害級の大雪で生死を分けた「物理的・情報の軽やかさ」
2026年1月、札幌を襲った20年ぶりの大雪。交通網が麻痺し、歩道が凍結した雪の壁と化す極限状態において、私を救ったのは「手放す決断」でした。
私はその場で、大きなスーツケースを自宅へ送り返すことを決めました。
「これだけの災害級の大雪の中、スーツケースを持って街を移動するのは不可能だという判断。ショルダーバッグに入る最小限の荷物に詰め替え、不要なものはすべてスーツケースに詰め込んで、ホテルから宅急便で送り出した。」
物理的な重荷を捨てることで得られた機動力。それに加え、生存を左右したのは「情報の活用」です。鉄道マニアである息子の知識を借り、混雑する札幌駅を避け、手稲駅で乗り換えるという「地の利」を活かした戦略。危機的状況において私たちを動かすのは、重たい所有物ではなく、身軽な体と、確かな情報だけなのです。
4. 64歳を前に刻む、加速する時間への「ひっかき傷」
還暦を過ぎてからの3年間、時間の流れるスピードは異常なほどに加速しています。気がつけば64歳はもう目前、その先には65歳という大きな壁が控えている。この「時間の暴走」に対抗するための私の戦略が、日々の記録を「スクラッチノイズ(ひっかき傷)」として刻むことです。
音声入力で、その日の朝食のメニューや、血圧測定の数値、家族への思いを吐き出す。それは、何もしなければ滑り落ちていく日常に、爪を立てて「私はここにいた」という証拠を残す行為です。
どれほどAIが進歩し、世界が最適化されても、個人の主観的な感情や、その瞬間に感じた寒さ、食べたお寿司の美味しさまでは肩代わりしてくれません。自分の人生をデータとしてアーカイブすることは、加速する時間の中で自分自身を見失わないための、最も尊い儀式なのです。
5. 同調圧力の重荷を捨て、「素直な愛国心」を再発見する
「身軽になる」という戦略は、精神面にも適用されるべきです。現代社会には、祝日に日の丸を掲げるような伝統に対し、無言の「右寄りではないか」という偏見や同調圧力が漂っています。しかし、スーツケースを捨てた時のように、こうした「他人の目」という精神的な重荷を捨ててみると、景色は変わります。
国際試合で日の丸が掲げられた時に感じる、あの震えるような高揚感。それは政治的イデオロギーではなく、私たちがこの地に根を張って生きているという、極めて純粋で素直な愛着です。
「右でも左でもなく、ただ『この国を良くしたい』『この国が好きだ』という素直な気持ちで旗を飾ればいい。」
外的な空気(同調圧力)に自分を合わせるエネルギーを捨て、自分の内側にある真実の声に従うこと。これもまた、変化の激しい時代を軽やかに生き抜くための大切な生存戦略です。
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結論:コントロールできない世界を、自らの「ノイズ」で彩る
AIの劇的な進化、予測不能な自然災害、そして避けることのできない加齢による衰え。これらはすべて、個人の力ではコントロールできない「外的な変化」です。
しかし、2026年の吹雪とAIから学んだのは、それらを拒絶するのではなく、知恵を使って乗りこなし、不要な執着を捨て、今の自分を刻み続けるという姿勢です。NotebookLMというデジタルな脳を活用しながら、一方で物理的な重荷を捨て、自分の足で凍った道を歩むこと。
世の中のスピードに無理に合わせる必要はありません。大切なのは、テクノロジーを自分の表現の手段として楽しみ、自分という軸を保つことです。
あなたが今日、未来の自分のために残せる「生きた証(スクラッチノイズ)」は何ですか? その小さなひっかき傷こそが、いつかあなたが人生を振り返る時の、確かな道標になるはずです。
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